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おこたの国


2004-08-14 いつの間にかこんな違った生き物になってしまった

_ [BOOK] 夜のピクニック/恩田陸/新潮社

4103971053中学の時の体育祭はそれはハデだった。確か学年串刺しにして4グループほどを作り、その間で点数を競い合った。点数とは関係ないけど、応援用に櫓を作りその規模を競い合ったりもした。近くの資材置場や山ん中から材料を集め一ヶ月前後をかけて組み上げていく。去年も材料を借りたから今年も、というコネは先輩から引き継がれる。上で十数人が暴れて平気な櫓を組むのだって簡単じゃないから、コツや技術も受け継いでいくのだ。中学時代の縦の関係なんてクラブ活動くらいでしか生まれないものだが、体育祭とその準備で生じる縦関係がそこに割って入って、奇跡的にうまく共生し機能していたように思う。そして期間中はそれしか考えていないというくらいにのめり込んでいた。ほとんど集団催眠状態である。きっと脳内麻薬かなんかが分泌されててハイになってたに違いない。その反動は高校で来た。あらゆる団体行動に拒絶反応をするようになり、ことごとくをサボって過すようになる。幼稚な話だ。しかも、今思えばとてつもなくもったいない。この「もったいなかった感」は、恩田陸の学園ものを読んでいると特に強く感じる。作者と同年代であることもたぶん強く作用しているのだろう。で、思うのだが、恩田陸自身も『損した』と思う高校生活を送ったんじゃなかろうか。だからこそきっと…

話そのものは、若干の変更があるものの、「4103971045」に収録されている書下し「ピクニックの準備」の本編にあたる。主人公達がみなサワヤカ美男美女であるあたりが、ますます恩田陸少女まんが説を補強してしまうというかなんというか。どうでもいいことだけど、本格少女まんが(笑)「4120033368」が現れるまで、恩田学園もの(?)一番のお気に入りは初期の「4103971010」だったりする。一般にはホラーにジャンル分けされるらしいが、いやいやどうして、あれは絶対学園ものだ。あの頃の立ち位置への違和感と卒業後への不安の描写が実にいい。逆に純粋な学園ものとして作られドラマ化までされ評価の高い「4087744639」は今一に感じたり。でも、この話は、後者よりだろう。特殊な状況の中で淡々と話を進めていく。でも、漂う空気には「球形の季節」の違和感と不安の方をより強く感じる。もちろん表現力は段違い。『みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのに』よくもまぁここまで読ませてくれるものだ。昼から夕、夜から深夜、そして朝。これらの時間と環境の変化の使い方も見事だ。ただ、最後がちょっともの足りない。けど、これくらいがちょうどいいに違いない。


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